或る龍との出会い
占いって信じますか?
僕は夢占いだけは信じています。
よく朝のニュース番組の最後にやってるような星座占いや血液型占いは信じていません。だって一位でも昼前にはそんなこと忘れてるじゃないですかみんな。
仮に夜まで覚えてたとしてもそれって他に感動することのなかった一日って意味だと思うし、そんな感動のない日はきっと占い一位のラッキーデーではなくないですか?
僕は牡羊座のA型です。
僕の苦手なアイツも牡羊座のA型です。
分かりますよね?
僕が一位だった日は自動的にアイツも一位なわけです。ちょっと嫌じゃないですかそういうの。
その点夢占いは良い。
夢って一人で見るもので、だれとも共有できないから、そういうことがない。
だから夢を見るとその夢が持つ意味を調べちゃうんだよね。
夢の内容がよくなくても、必ずしもそれが夢占い的にも悪いとは限らない。
例えば、親が死ぬ夢。
これは見た時はすごい気分が落ちるし辛いけど夢占いの結果は「親からの自立の暗示」
こういう風に深層心理をコチョコチョしてくる感じも僕が夢占いを信じる理由の一つかもしれない。
昨日見た夢について書きます。
夢の中で僕は龍を乗りこなしていました。出ましたこれぞ夢。
龍です、龍。これが夢の自由度です。普段はレンタカーかチャリンコぐらいしか乗らない僕がそれはそれは見事なハンドルさばきで龍を乗りこなしていたんです。
まあ厳密にいえばハンドルじゃなくて二本のツノなんだけど、右を引けば右折するし、左を引けば左折する。もはやハンドル。
どこに向かうでもなく上空を飛行する僕と龍はこんな会話をした。
「龍は悩みとかあるの?」
「んんー、あるけど、今こうやって飛んでるときぐらいは嫌なこと忘れたいかな。」
出た夢の自由度。
生物の種を超えた謎の共通言語での会話。
そしてごめん龍!
なんか聞いちゃダメなことを聞いてしまったような気がして、申し訳なく思った。
それと同時に意外とナイーブな龍に驚いた。
普段はかっこよくて強くてたくましい龍の少し寂しそうな目を、どういう顔をして見ればいいのかわからなくなって、僕は目を伏せた。
数十秒の沈黙。
龍が口を開く。
「明けない夜なんてないって言うじゃん」
意外な言葉に驚いたが、平静を装って龍の言葉に耳を傾ける。
「確かに明けない夜はないとは思うんだよ。俺も。」
へえ、龍って一人称「俺」なのか、とか思いつつ相槌を打つ。
「でも長い長い夜が明けた時、必ずしも晴れてるとは限らないと思うんだよな。だから俺、辛い辛いことから立ち上がった時にまた次の試練がやってくるんじゃねえかって時々不安になるんだ。」
おいおい、なんかとんでもなく深えこと言ってねえかこの龍。
そんで今相当悩んでんだなこいつ。
さて、なんと言葉をかけよう。。。。。。。。
夢の終わりというものは突然やってくるもので、夢の終わりを自分でコントロールできたならどれだけ幸せだろうとよく思う。
龍に何も言葉をかけてやれないまま、その夢は終わった。
お得意の二度寝を盛大にかましてやったが、龍は出てこなかった。
「明けない夜はないが、明けた朝の天気が晴れとは限らない。」
なるほどな。
次に夢の中で龍とまた会えたらこう言うつもりだ。
「夜のうちに、傘の準備をしておこう。朝が雨でもまた飛べるから。」
そして僕はまたあの龍と会うために、今日もお昼寝をしたのでした。。。
おしまい
ちなみに夢占いで龍に乗る夢について調べたら、「大きな幸せをつかむ大吉夢」らしく、とても温かい気持ちになった。ありがとう龍。こんなに人を温かい気持ちにできるお前はきっと幸せになれるよ。お互い頑張ろう。そんなことを思った。
夢占い、意外とあたるので是非是非!