扇風機に捧ぐ
そういえば書いてなかったな。
なんて書出しで始めるけれど、ずっとずっと文章を書いていないことが気掛かりではあった。
10月もあと数日。
あたりを我が物顔で吹き抜けていた金木犀の香りもそろそろ冬支度に入ったのか、さほど気にならなくなった。
ああ秋だなあと感じた時には、もう秋は終わりかけていて。
部屋の端っこに追いやられた扇風機は、居心地悪そうにこっちを向いている。
何処に風を送るでもなく、ただそこに佇んでいる。
『もしかしたらもう今年は出番ないのかなあ。』
ベンチで出番を待つ控え選手のような、そんな気持ちでそこにいるのだとしたら、少し申し訳なくて、早く片付けてあげた方が君のためなのかな、なんてそんなことを思った。
夏にはあんなにお世話になったのに、涼しい季節になった途端、部屋の邪魔者扱いされるのはなんだか可哀想で、なんとなく扇風機に同情してしまった。
明日綺麗に拭いて、片付けてやろう。
また来年、気持ちの良い風を送る時まで、少しだけ休んでいてもらおう。
ありがとう。
夏は君のおかげで、少しだけ幸せになれたよ。
少しの幸せでもいいから、周りに与えられる、そんな人に僕もなれたらいいな。
秋の夜長に、一人で思ったことです。
秋の夜長の扇風機への鎮魂歌(レクイエム)
いや扇風機は死んでないよ?
しかも鎮魂歌(レクイエム)って自分で入力しててすごく恥ずかしくなった。
扇風機への鎮魂歌(レクイエム)
劇場版コナンのタイトルじゃないんだから。
気を張らず、軽く緩く、書いていこう。
忙しくても。
好きなら書け、俺。
おしまい。